公務員試験 2019 (R1) 年 国家一般職 (農学) No.13 解説

 問 題     

嗜好作物、繊維作物、糖料作物に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.チャの栽培で、やや深く枝を刈り込んで摘採面を下げる仕立て作業をせん枝という。また、覆下栽培は摘採約20 日前から遮光する栽培法で、茶葉のテアニンを蓄積させる効果がある。

2.タバコは、嫌光性種子のため覆土が薄いと発芽率が低下する。また、バーレー種では、収穫した葉に徐々に熱を加えて化学変化を起こさせる乾燥法が行われる。

3.イグサの茎は退化して短く、長く伸びた葉鞘が畳表の材料として利用される。また、特殊な粘土を溶かした水に収穫したイグサを浸す泥染めは、色や光沢を良くし、乾燥を防ぐ目的で行われる。

4.サトウキビはイネ科の多年生草本で、原産地は南アメリカ北部とされる。また、我が国では、茎のショ糖濃度が春から夏にかけて気温の上昇とともに増加するので、夏が収穫期となる。

5.テンサイはダイコンと同じアブラナ科に属する作物で、我が国には明治時代初期に導入された。製糖の原料としては、葉柄基部の短縮茎が肥大した球茎を利用する。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
チャの栽培に関する記述です。


選択肢 2 ですが
タバコの種子は、発芽に光が必要な「好光性種子」です。ちなみに嫌光性種子は、暗くないと芽を出さない種子です。主な代表例としては、ネギ、タマネギ、ダイコン、カボチャ、トマト、ナス、ピーマン、トウガラシなどです。

また、日本で栽培されるタバコは在来種、黄色種、バーレー種の 3 種類に大別されますが、収穫後徐々に温度を高めて 糖 → デンプン へと化学変化を起こさせるのは「黄色種」です。「バーレー種」ではありません。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが
イグサは「葉」が退化して茎の基部を包む はかま と呼ばれる葉鞘 になっています。「茎」が退化しているわけではありません。ちなみに泥染めにより「乾燥が早まる」です。「乾燥を防ぐ目的」ではありません。選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 ですが
サトウキビの原産地は「ニューギニア、インドネシア」です。「南アメリカ北部」ではありません。また、サトウキビの収穫時期は、主に 12 月から翌年 4 月頃です。そのため「夏が収穫期」ではありません。選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 ですが
テンサイは、ホウレンソウと同じアカザ科に属します。「ダイコンと同じアブラナ科」ではありません。また、テンサイで利用するのは糖が蓄積して肥大する主根です。「球茎」を利用するわけではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

コメント