問 題
我が国の農業の主要指標に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.農業総産出額は、国内の農業生産活動による生産物の量に小売価格を乗じたもので、種子、飼料等の中間生産物の額も含まれている。また、市町村別推計値を積み上げて農業総算出額を算出している。
2.基幹的農業従事者は、農業就業人口のうち 65 歳未満でふだんの主な状態が、「主に仕事 (農業) 」である者をいう。平成 27 年のその数は平成 17 年に比べて増加している。
3.新規就農は、自営農業従事、法人雇用、新規営農といった形態があるが、平成27 年の新規就農者は、法人雇用による者が最も多い。また、新規学卒就農者は学生が自営農業に従事する場合をいう。
4.農業所得とは、農業粗収益から農業経営費を差し引いたものであるが、この農業所得には、自己所有の生産要素である自作地地代、自己資本利子、家族労賃が含まれている。
5.販売農家は、経営耕地面積 10 a 以上又は農産物販売金額 15 万円以上の世帯である。平成27年の販売農家数は、農産物販売金額規模別* で平成 22 年と比較すると、全ての階層で減少している。
* 農林水産省「農林業センサス」における農産物販売金額規模別
解 説
選択肢 1 ですが
農業総産出額とは、農業生産活動による最終生産物の総産出額です。品目別生産量から、二重計上を避けるために、種子、飼料等の中間生産物を控除して計算します。「種子、飼料等の中間生産物の額も含まれている」わけではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
基幹的農業従事者とは、自営農業に主として従事した世帯員のうち、普段の主な状態が「主に仕事(農業)」である者です。「農業就業人口のうち 65 歳未満で」という部分が不適切です。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
法人経営体が増加、大規模化傾向にありますが、新規就農において「法人雇用が最も多い」とまではなっていません。最も多い形態は、新規自営農業従事です。新規自営農業従事に関しては、50 歳以上が 約 75 % を占めるという特徴が見られます。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
農業所得に関する記述です。
選択肢 5 ですが
記述は「農家」です。農家とは、経営耕地面積が10a以上 又は 農産物販売金額が15万円以上の世帯です。 「販売農家」は、経営耕地面積が 30a以上 又は 農産物販売金額が 50万円 以上の農家です。ちなみに、「自給的農家」は、経営耕地面積 30a 未満かつ農産物販売金額が 50万円 未満の農家です。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。

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