問 題
食料需給に関する記述 A ~ D のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
A.保存性が乏しく代替物が少ない食料は、価格が高騰しても、下落しても、需要量はあまり変化しない。これは、必需性と飽和性という食料の特性による。このように価格の変化に対して需要量があまり変化しない財は価格弾力性が小さいという。
B.所得に占める食料消費支出の割合をエンゲル係数といい、所得が増加するにつれ食料を多く購入できるため食料消費支出の割合が多くなることをエンゲルの法則という。
C.国産農林水産物は、生鮮食品として利用されることが多く、金額ベースでの食品産業への仕向け割合は 3 割を下回っている。食品製造業の加工原料の調達においては、輸入品の割合が国産品より高くなっている。
D.食料自給率は、国内の食料消費が国内農業生産でどの程度賄えているかを示す指標である。指標には、品目別自給率、供給熱量 (カロリー) ベースの総合食料自給率、生産額 (金額) ベースの総合食料自給率などがある。
1.A、B
2.A、C
3.A、D
4.B、C
5.C、D
解 説
記述 A は妥当です。
価格弾力性が小さい財についての記述です。代表例は食料品や医薬品があげられます。
記述 B ですが
「所得に占める食料消費支出の割合がエンゲル係数」という記述は妥当です。
エンゲルの法則は「家計の所得水準が高いほどエンゲル係数が低くなること」です。「所得が増加するにつれ・・・食料消費支出の割合 (= エンゲル係数) が高くなる」ではありません。記述 B は誤りです。
記述 C ですが
記述前半は妥当です。特に米 は 99% 国産が生鮮食品として利用されています。
後半部分ですが、食品製造業の加工原料の調達について、本試験時点において国産品が 10 兆円弱に対し、輸入品が 2 兆円弱です。「輸入品の割合が国産品より高い」ということはありません。記述 C は誤りです。
記述 D は妥当です。
食料自給率についての記述です。
以上より、正解は 3 です。

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