公務員試験 H30年 国家一般職(農学) No.28 解説

 問 題     

イネの害虫に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.ヒメトビウンカは、成虫の状態で水田畦畔などの雑草地で越冬する。成虫はイネの茎などを吸汁して、紋枯病を媒介する。

2.カメムシのうち、斑点米を発生させるものを斑点米カメムシと呼ぶ。出穂後に水田内に入り込み、茎や葉を吸汁して、被害を与える。イネクロカメムシが代表的である。

3.イネシンガレセンチュウは、イネの成長点付近を加害し、品種によっては、上位葉先端部が枯れ、白変する心枯れ症状を示す。種籾内で越冬するため、種子消毒が防除対策として重要である。

4.イネミズゾウムシは、成虫が根を、幼虫が葉を食害する。幼虫は背面に糞を背負っており、泥のように見えることから、イネドロオイムシとも呼ばれる。

5.ニカメイガは、幼虫が主にイネの葉を食害する。通常はイネの栽培期間中に幼虫は 3 回発生するが、第 2 世代幼虫は出穂期前に発生するため、これによってイネは白穂を生じるなどして、減収の要因になる。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

選択肢 1 ですが
ヒメトビウンカが媒介するのは「縞葉枯病ウイルス」です。「紋枯病」を媒介するわけではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
斑点米カメムシが籾を吸汁すると、その痕にカビが発生して斑点米となります。そのため「茎や葉を吸汁して、被害を与える」という記述は誤りです。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
イネシンガレセンチュウについての記述です。

選択肢 4 ですが
イネミズゾウムシは、「幼虫が根」を、「成虫が葉」を食害します。また、後半の記述にあるイネドロオイムシとイネミズゾウムシは別の昆虫です。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
ニカメイガは、通常イネの栽培期間中に幼虫が「2 回」発生します。暖地では年 3 回発生することもあります。「通常は・・・3 回」ではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 3 です。

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