問 題
花きの形態と特性に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.播種から 1 年以内に開花・結実して枯死するものを一年草といい、 1 年目と 2 年目にそれぞれ 1 回ずつ開花・結実するものを二年草という。キクやユリ等の宿根草は株の全体又は一部が毎年残る多年生の草本である。
2.球根切り花には、スイートピー、チューリップ、グラジオラスなどがある。グラジオラスは茎が肥大した球茎を、スイセンは根が肥大した塊根を形成する。
3.花色を決める色素には、クロロフィル系色素、カロテノイド系色素のほか、最も主要な色素として赤色から紫、青色にかけての花色の母体となるベタレイン系色素がある。色素は全て液胞中に含まれている。
4.チューリップは、耐寒性がなく、球根が低温に当たると花茎の伸長が妨げられる。根には下根と上根があり、養分の吸収には上根が重要である。
5.アジサイ (ハイドランジア) は木本植物であり、休眠打破には低温が必要である。アジサイの花色 (がく片の色) は、土壌の pH により変化し、一般に中性土壌では赤色になる。
解 説
選択肢 1 ですが
二年草は、種をまいたあと 1 年以上たってから開花し、2 年以内に枯れる植物です。「 1 年目と 2 年目にそれぞれ 1 回ずつ開花・結実」ではありません。選択肢 1 は誤りです。
ちなみに
宿根草 (しゅっこんそう) は、多年生の草本のうち、生育に適さない時期には地上部が枯れ、適する時期になると発芽して再び生育するものです。
選択肢 2 ですが
チューリップ、グラジオラスは球根切り花ですが、スイートピーは球根切り花ではありません。選択肢 2 は誤りです。
ちなみに、球根は「塊茎、塊根、球茎、根茎、鱗茎」に大別されます。グラジオラスの球根は、茎が短縮して球状に肥大した球茎です。スイセンは短縮した茎の周囲に養分を蓄えた鱗片葉が多数重なって、球形や卵形になった「鱗茎」です。塊根ではありません。
選択肢 3 ですが
クロロフィルは「葉緑体」に含まれます。「色素は全て液胞中」ではありません。選択肢 3 は誤りです。
ちなみに、ベタレイン系色素は赤紫色系の色素で、テーブルビートなどナデシコ目の植物に含まれる特有の色素です。
選択肢 4 ですが
チューリップは耐寒性が強く、一般的に寒い地域でも育てることができます。「耐寒性がなく」という記述は誤りです。また、下根と上根があり、養分の吸収には上根が重要である花きは ユリが妥当と考えられます。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。
アジサイについての記述です。
以上より、正解は 5 です。

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