問 題
イモ類に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.ジャガイモは南アフリカ原産とされ、ヒルガオ科に属する双子葉植物である。我が国の 10 a 当たり収量(単収)は、1960 年は 1.8 t であったが、最近では 3 t 程度にまで増加しており、その要因は、主に育種によるといわれている。
2.ジャガイモは酸性土壌に弱いため、植付けに当たっては、あらかじめ石灰散布による酸度矯正が必要である。また、栽培期間中に行う重要な作業である培土(土寄せ)は、倒伏防止を主目的として行われている。
3.我が国におけるサツマイモの栽培面積と生産量は、第二次世界大戦時から戦後にかけて急増したが、1955 年以降減少傾向で推移した。2010 年以降、生産量は概ね 80 万 t 台で推移している。用途別消費割合については、1955 年と 2015 年を比べると、でん粉原料用のシェアが減少した。
4.サトイモは、縄文時代に我が国に伝わったとされ、稲作以前の重要な食用イモであったといわれている。熱帯原産とされ、暑さや乾燥に強い。イモは根が肥大したものであり、親イモと子イモがある。食用に利用されるのは子イモのみである。
5.コンニャクは、ヤマノイモ科の一年生植物で春に種芋(生子)を植え付けし、それが肥大したイモを秋に収穫しマンナンを取り出して食用にする。我が国の主産地は栃木県と群馬県で、ほぼ同程度の生産量となっている。
解 説
選択肢 1,2 ですが
ジャガイモはアンデス高原原産、つまり南「アメリカ」原産です。南アフリカではありません。また「ナス科」に属します。ジャガイモは栄養繁殖のため純系化されていないなど、育種が困難な作物です。近年の単位あたり収量は 3 t 程度で横ばいです。
また、土壌の「酸性に強い」作物です。連作で品質低下するので、麦や豆と組み合わせて連作するのがよいです。培土 (土寄せ) は「肥大した塊茎が土表面に露出して緑化するのを防ぐ」作業です。「倒伏防止」ではありません。選択肢 1,2 は共に誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
サツマイモについての記述です。
選択肢 4 ですが
前半部分は妥当です。サトイモは縄文時代に伝わったとされ、かつての重要な食用イモであったようです。熱帯原産とされ、暑さや乾燥に強いです。後半部分ですが、イモは「茎が変形したもので塊茎」です。「根が肥大した」わけではありません。また、親イモも食用に利用される品種があります。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
コンニャクは サトイモ科です。ヤマノイモ科ではありません。また、コンニャクは群馬県が断トツのシェアを占めます。約 9 割が群馬県による生産です。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。

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