公務員試験 H30年 国家一般職(農学) No.10 解説

 問 題     

豆類の栽培、生態及び品質成分に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.ダイズの生育には弱アルカリ性の土壌が好適である。酸性土壌では、石灰を施用し、pH 8 程度に矯正することが重要である。一方、ラッカセイの生育には弱酸性土壌が適しているため、石灰の施用を避けることで多収となる。

2.我が国のアズキ品種は、夏アズキ型と秋アズキ型及び中間型に分類される。北海道では、夏アズキ型の品種が主に用いられている。秋アズキ型の品種は、夏アズキ型の品種よりも感光性が高い。

3.インゲンマメは、感温性及び感光性について品種間差はみられず、我が国での 1 品種の栽培適応地域は広い。また、豆類の中では酸性土壌に強いので、酸度矯正の必要はない。

4.ラッカセイは、受精数日後に子房が伸び、先端が地下に伸長し、肥大成長して莢が形成される。ラッカセイの結莢率は、一般に 50 % 程度である。また、ラッカセイの耐乾性は、比較的強い。

5.ラッカセイ、アズキ、ダイズを比較すると、脂質の一般的な含有率は、ダイズが約 50 %、ラッカセイが約 20 %、アズキが 2 % 程度である。一方、炭水化物の含有率は、高いものから順に、ラッカセイ、アズキ、ダイズとなる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
pH 7 が中性で、それより小さいと 酸性、大きいとアルカリ性です。ダイズ、ラッカセイの好適 土壌 pH は 共に 6.0 ~ 6.5 です。選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 は妥当です。
アズキ品種についての記述です。


選択肢 3 ですが
インゲンマメは 感光性、感温性に大きな品種間差異があります。そのため、地域に適応した品種選定が重要です。「感温性及び感光性について品種間差はみられず」ではありません。選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 ですが
1 文目の 莢 (さや) が形成される過程、及び 最後の文の耐乾性が比較的強いという記述は妥当です。ラッカセイの結莢率 (けっきょうりつ) は、約 10% 程度です。「一般に 50% 程度」ではありません。選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 ですが
ダイズの脂質含有率が 「50%」は高すぎると判断できるのではないでしょうか。ダイズの脂質含有率は 約 20% です。ちなみにですが、ラッカセイの脂質含有率が 約 50% です。アズキは 2% 程度です。炭水化物の含有率が最も高いのは アズキです。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 2 です。

コメント