公務員試験 2021年 国家一般職(土木) No.40 解説

 問 題     

我が国の上下水道に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 水道管として用いられる硬質塩化ビニル管は、一般に、耐食性に優れ、軽量で、安価であるなどの長所を有する一方で、有機溶剤・熱・紫外線に弱く、低温時において耐衝撃性が低下するなどの短所を有する。

㋑ 天然水中に存在するコロイド粒子は、ほとんどが負の電荷を帯びているため、水道水の浄水処理の過程においては、水中で正の電荷を帯びるアルミニウム系凝集剤、鉄系凝集剤が用いられる。

㋒ 地表に降った雨の量に対してその雨が下水管に流れ込む量の割合を表す流出係数は、一般に、建物が密集する中心市街地よりも農地が散在する郊外部のほうが大きい。

㋓ 近年、分流式下水道に関しては、維持管理費等を縮減するために、汚水と雨水を同一の管で集める合流式下水道への切り替えが進められている。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

㋐ は妥当です。
いわゆる「塩ビ管」についての記述です。

㋑ は妥当です。
コロイド粒子、及び浄水過程における凝集剤についての記述です。

㋒ ですが
農地の有する貯水機能を考えれば、同じ量の雨が降った場合において、建物が密集する中心市街地の方が下水管に多くの水が急激に流れ込むことと判断できるのではないでしょうか。流出係数は市街地の方が、一般的に大きいとされます。㋒ は誤りです。

㋓ ですが
下水の排除方式には汚水と雨水を同一の管渠 (かんきょ) で排除する合流式と、別々の管渠で排除する分流式があり、現在では、水質汚濁防止の観点から分流式が主流となっています。「合流式下水道への切り替えが進められている」わけではありません。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

類題 2020 no40
https://yaku-tik.com/koumuin/2020-doboku-40/

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