問 題
我が国の交通に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち下線部が妥当なもののみを挙げているのはどれか。
㋐ 乗合バスに関して、全国の輸送人員数はモータリゼーションの進展等により長期的に減少傾向にあったが、平成 24 年度から 28 年度にかけては微増傾向で推移している。その一方で、多くのバスを運行する事業者においてドライバー不足が深刻となり、輸送力の確保が課題となっている。
㋑ 縦断勾配が変化する箇所を自動車が走行する際に受ける衝撃を緩和するために、道路の縦断勾配の設計においてはクロソイド曲線を適用する。
㋒ 四段階推計法における配分交通量の推計とは、各ゾーンの発生交通量と集中交通量を推計した後にゾーン間 (起終点間) の OD 交通量を推計することをいう。
㋓ 交通流動を把握するための全国都市交通特性調査 (パーソントリップ調査)、全国幹線旅客純流動調査、全国貨物純流動調査 (物流センサス) においては、基本的に対象者を抽出したアンケート調査が行われる。
1.㋐、㋑
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓
解 説
㋐ は妥当です。
ドライバー不足についての記述です。
㋑ ですが
道路の直線部と曲線部接続時や、曲線半径の異なる曲線部の接続時における一般的緩和曲線が「クロソイド曲線」です。縦断勾配 (「傾斜」) が変化する箇所では「縦断曲線 (一般に放物線) を挿入します。「縦断勾配ークロソイド曲線」という対応は誤りです。
㋒ ですが
四段階推計法は以下の4段階による推計です。1:発生・集中、2:分布、3:分担、4:配分 の4段階です。「発生・集中を推計した後に」とある点に注目すれば、記述は「分布」交通量の推計です。
「配分」交通量の予測は、ゾーン間における利用可能な経路の詳細についての予測という点を意識するとわかりやすいと思われます。
京都から奈良に行くのに、経路1:高速道路で行く、経路2:下道の国道◯◯号で行く・・・といった利用可能な経路が、一般的に複数あります。京都から奈良へ自動車で 30% 行く内、これぐらいが高速道路で行くだろう、これぐらいが下道の国道◯◯号で行くだろう・・・というのが「配分交通量」の予測と考えればよいです。
㋓ は妥当です。
ちなみに対象者を抽出するのが「標本調査」です。抽出せず「全数調査」で行う代表例は「国勢調査」です。
以上より、正解は 2 です。
類題 2019 no36
https://yaku-tik.com/koumuin/2019-doboku-36/
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