問 題
土木材料に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。
㋐ ポアソン比とは、引張試験の結果から求まる力の作用方向のひずみとそれに直交する方向のひずみの比をいう。
㋑ 鋼材の引張試験において、応力を除去するとひずみが 0 に戻る応力の限度を比例限度といい、比例限度よりも大きい応力を加えたとき、応力を全て除去しても鋼材には残留ひずみが残る。
㋒ クリープとは、一定応力下で時間の経過とともにひずみが増大する現象のことである。一般に、高温下では、金属材料のクリープ曲線は三つの段階に分けられる。
㋓ 金属材料の破壊様式のうち、塑性変形をほとんど伴わない破壊を脆ぜい性破壊というが、粘り強い金属材料では、温度に関係なく脆性破壊は起こらない。
1.㋐、㋒
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓
解 説
㋐ は妥当です。
ポアソン比は、部材を引っ張って伸ばした時の引張方向のひずみと、垂直方向のひずみの比です。例えばポアソン比が 0.1 であれば、「縦に1mm のびたら、横に 0.1mm 縮む」ということです。
㋑ ですが
応力を除去するとひずみが 0 に戻る応力の限度は「弾性限度」です。比例限度は応力とひずみが比例関係にある限界のことです。比例限度を超えて少しすると弾性限度になります。㋑ は誤りです。
㋒ は妥当です。
クリープについての記述です。高温下での金属材料のクリープ曲線は「1 次 → 2 次 → 3 次」or 「遷移 → 定常 → 加速」の 3 つの段階に分けられます。
㋓ ですが
脆性破壊は、応力が作用して塑性変形を伴わないで破壊することです。 粘り強い材料でも低温下において脆性破壊は起こる可能性があります。「粘り強い…では、温度に関係なく脆性破壊は起こらない」わけではありません。㋓ は誤りです。
以上より、正解は 1 です。
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