公務員試験 2019年 国家一般職(土木) No.29解説

 問 題     

図のように、単位体積重量が等しく、それぞれが均質な 2 層の砂層 AB、BC からなる背面土を支える擁壁がある。このとき、擁壁に作用する主働土圧の分布を定性的に示した図として最も妥当なのはどれか。ただし、擁壁壁面と背面土の間には摩擦はないものとし、AB の内部摩擦角を ΦAB、BC の内部摩擦角を ΦBCAB < ΦBC) とする。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

【土圧係数に関する基礎知識】
土圧では、垂直方向の力の方が、水平方向への力よりも大きく、垂直、水平方向の力の比が、土圧係数と呼ばれます。

「受動土圧:壁がぐっと土を押している時の土圧」について、土圧係数 Kp = tan2(45°+Φ/2) です。Φ は内部摩擦角です。

「主働土圧:土に押されて壁がすっと離れる時の土圧」について、土圧係数 Ka = tan2(45° ー Φ/2) です。まとめておさえておきましょう。


具体的に考えるとわかりやすいです。一例として AB の内部摩擦角を 0°、BC の内部摩擦角を 30° とします

主働土圧について土圧係数は、砂層 AB、砂層 BC でそれぞれ tan2 45° = 1、tan2 30° = 1/3 です。  このため、土圧は AB と BC の境界面で小さくなることがわかります。

選択肢を検討すると 1,2,3 は境界面で土圧が大きくなっています。また、選択肢 5 は境界面で土圧が変化していません。


以上より、正解は 4 です。

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