2023年 国家一般職(高卒 技術) No.11 物理 解説

 問 題     

水平な床の上で、小球を水平面となす角 30° で発射したところ、小球は t 秒後に発射地点から 8.5 m先で初めて床に衝突した。このとき、t として最も妥当なのはどれか。ただし、重力加速度の大きさを 10 m/s2 、√3 = 1.7 とする。


1. 0.50
2. 1.0
3. 1.4
4. 1.7
5. 2.7

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

斜めに玉を投げるのは「斜方投射」です。斜方投射では、垂直方向と水平方向に分けて考えるのが基礎知識です。初速 を v0 とおき、垂直方向と水平方向に分けるとそれぞれ v0/2、√3v0/2 と表すことができます。

垂直方向に注目します。
垂直方向について、加速度は重力加速度 10 です。初速 v0/2、加速度 10 であれば、時刻 T における速さv = v0/2– 10T ・・・(1)です。※ 通常小文字の t が時刻ですが、問題文で既に t に意味があるので大文字 T としています。

↗️↘️ と玉は飛んでいくのですが、高さ最高点において、垂直方向の速度は 0 です。(1)において v = 0 として T を求めれば T = v0/20 です。

「↗️:高さ0 → 最高点」までかかった時間が v0/20 なので、「↘️:最高点 → 高さ0」までにかかる時間もやはり v0/20 です。つまり、初めて床に到達するまでにかかった時間は v0/20 + v0/20 = v0/10 と表すことができます。

水平方向は、等速直線運動です。
つまり、√3 = 1.7 とすれば 初速 (1.7/2) × v0 でずっと進んでいきます。水平方向に進んだ距離は「速さ × 時間」で表されます。

初めて地面につくまでかかった時間は v0/10 秒です。1.7/2 は 0.85 です。速さを以下 0.85 v0 と表します。すると水平方向に進んだ距離「0.85 v0 × v0/10」= 0.085 v02 ・・・(2)です。問題文より (2)は 8.5 m だったので、(2)= 8.5 を解けば、v02 = 100 → v0 = 10 とわかります。(妄想なんですが、30° 方向にボール投げたり打ったりして 8.5m 先まで飛んだ時に「物理の理論上、初速 10m/s だったね」とか実際のグラウンドで言われたら、びっくりですよね!)

求める時間は t = v0/10 なので、10/10 = 1 とわかります。


以上より、正解は 2 です。

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