過去問 2023年 国家一般職(高卒 基礎)No.37解説

 問 題     

日本銀行に関する記述A~Dのうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。


A:日本銀行は、我が国の唯一の発券銀行として日本銀行券を発行するほか、資金繰りが困難となった市中金融機関に対して、いわゆる「最後の貸し手」として資金供給を行うなどの機能を持つ。

B:日本銀行の役割として、物価の安定と雇用の安定を図ることが法律で明記されており、その役割を果たすため金融政策を機動的に行うが、金融政策の実施に当たっては閣議決定を経る必要がある。

C:市中銀行は、預金量のうち、支払準備のために一定割合を日本銀行に預けることとなっており、日本銀行が、その割合を操作して資金の供給量を調節する機能は、公定歩合操作と呼ばれている。

D:公開市場操作とは、日本銀行が国債や手形などを売買することにより、短期金融市場における資金の供給量を調節することである。


1.A、B
2.A、D
3.B、C
4.B、D
5.C、D

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

記述 A は妥当です。
日本銀行の機能についての記述です。


記述 B ですが
日本銀行には、中立性・専門性の観点から、金融政策の運営について独立性が認められています。「金融政策の実施に当たっては閣議決定を経る必要がある」わけではありません。記述 B は誤りです。


記述 C ですが
市中銀行は、中央銀行に対する民間の銀行全体のことです。日本銀行に預ける預金量の割合は預金準備率、もしくは支払準備率です。公定歩合ではありません。

公定歩合は、中央銀行から市中銀行などにお金を貸す時の基準金利のことです。公定歩合を上げると市場への資金流入は抑制されます。公定歩合を下げると市場への資金流入は促進されます。記述 C は誤りです。


記述 D は妥当です。
公開市場操作についての記述です。


以上より、正解は 2 です。

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