過去問 2023年 国家一般職(高卒 基礎)No.36解説

 問 題     

我が国の選挙制度に関する記述として最も妥当なのはどれか。


1.小選挙区制の場合、一般に、多数派の政党に有利であり、二大政党制による安定した政治となりやすい一方、死票が多く、有権者の多様な意思が反映されにくい。

2.衆議院議員及び参議院議員の被選挙権の資格年齢は共に満 30 歳以上である。一方、これらの選挙の選挙権年齢は1990 年代の公職選挙法改正により満 18 歳以上に引き下げられた。

3.衆議院議員総選挙においては、1 選挙区から 3 ~ 5 名の議員を選出する中選挙区制と比例代表制を合わせた中選挙区比例代表並立制が採用されているが、重複立候補は認められていない。

4.我が国の選挙制度の課題として、各都道府県ごとの有権者数に著しい差が生じている「一票の格差」問題があるが、2023 年4 月現在、最高裁判所から違憲判決が出されたことはない。

5.公職選挙法は選挙運動の制限を細かく定めている。インターネットによる選挙運動は全て禁止されているが、戸別訪問は 2010 年代の同法改正で解禁された。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
小選挙区制の特徴についての記述です。

選択肢 2 ですが
被選挙権、つまり選挙される権利、立候補する権利の資格年齢は、参議院議員と県知事が 30 歳以上、衆議院議員等は 25 歳以上です。また、選挙権年齢が満 18 歳以上に引き下げられたのは 平成 28 年(2016 年)です。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
衆議院議員総選挙では「小選挙区比例代表並列制」が採用されています。また、重複立候補も認められています。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
一票の格差問題について、最大判 S51.4.14 、及び最大判 S 60.7.17 衆議院議員定員不均衡訴訟 において、選挙無効とはならない事情判決ですが、違憲判決が出たことがあります。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
インターネット等の普及に鑑み、H 25 年 法改正により、インターネット等を利用する方法による選挙運動が解禁されました。また、公職選挙法 138 条より「何人も、選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて戸別訪問をすることができない」とされています。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

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