問 題
物質の三態に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.物質には、固体、液体、気体の状態があり、これらを物質の三態という。このうち、気体や液体は、固体より粒子間の引力の影響が大きく粒子の熱運動が小さいため、体積と形は一定しない。
2.物質の状態変化には、化学変化と物理変化がある。化学変化の例として温度変化による物質の三態間の変化が、物理変化の例として水の電気分解による物質の変化が挙げられる。
3.固体から直接気体になる状態変化を昇華といい、逆に、気体から直接固体になる状態変化を凝縮という。1 気圧 0 ℃ で昇華を起こす物質として、二酸化炭素やリチウムがある。
4.一定の圧力のもとでは、純物質の融点や沸点は決まった値を示す。融解や沸騰が起こっている間、温度は一定であり、1 気圧下で水の沸騰が起こっている間は 100 ℃ で一定に保たれる。
5.全ての粒子の熱運動が停止するとみなされる温度を絶対零度といい、この温度は約 -373 ℃ である。絶対零度では多くの物質は固体であるが、水素や酸素は 1 気圧下では気体である。
解 説
選択肢 1 ですが
粒子間がぎゅっと詰まっているのが固体です。粒子間の距離が近い方が粒子間の引力の影響が大きくなります。「気体や液体は、固体より粒子間の引力の影響が大」きいわけではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
化学変化の例と物理変化の例が逆です。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
固体から直接気体になる状態変化が昇華、気体から直接固体になる状態変化が凝華です。「凝縮」は、液体から固体への状態変化です。また、1気圧 0 ℃ で昇華を起こす物質としては、二酸化炭素やナフタレン、ヨウ素などが代表例です。リチウムは該当しません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
純物質の融点や沸点に関する記述です。
選択肢 5 ですが
絶対零度は約 ー 273 ℃ です。また、絶対零度において水素や酸素も1気圧下において固体です。常圧における絶対零度において、固体にならない物質としてはヘリウムがあげられます。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。
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