公務員試験 H28年 国家一般職(土木) No.36解説

 問 題     

我が国の道路事業の評価に使われている費用便益分析に関する記述㋐、㋑、㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 費用は整備に要する工事費、用地費、補償費などの事業費によって算定しており、供用後に必要となる維持管理費は加算しない。

㋑ 便益は走行時間短縮便益、走行費用減少便益、交通事故減少便益及び沿道の地価上昇便益の四つの便益から算定される。

㋒ 費用と便益は、それぞれ評価時点と異なった時点で発生するため、通常は、社会的割引率を用いて将来の価値を現在価値に換算して比較する。

1.㋐、㋑

2.㋐、㋒

3.㋑

4.㋑、㋒

5.㋒

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

費用便益分析マニュアルによれば、

記述㋐ですが、費用として「道路整備」及び「道路維持管理」に要する費用を算定します。よって、記述㋐は誤りです。

記述㋑ですが、便益として「走行時間短縮」「走行経費減少」及び「交通事故減少」便益について算定します。3つです。4つではありません。よって、記述㋑は誤りです。

また、この算定に先立ち、交通量の推計を道路交通センサスベースの OD 表を用いて三段階推定法により行うことを原則としています。三段階推定法とは「発生集中交通量の推計 → 分布交通量の推計 → 路線配分」という推定です。

記述㋒は正しい記述です。

以上より、妥当な記述は㋒です。

正解は 5 です。

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