公務員試験 H28年 国家一般職(土木) No.32解説

 問 題     

コンクリートに関する記述㋐~㋓のうち下線部が妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ AE剤やAE減水剤を用いて計画的に均等に分布させた微小な独立した空気泡であるエントラップトエアは、コンクリートのワーカビリティーを改善する。

㋑ コンクリートの運搬、打込み、締固め中に各材料が分離し、水がコンクリート中を移動してコンクリートの表面に達し水の層が形成される現象をレイタンスという。

㋒ 前回に打設したコンクリート中のセメントの水和反応がかなり進行した後に次のコンクリートが打設され、両者間の連続性が阻害された部分をコールドジョイントという。

㋓ 暑中のコンクリートの打継ぎ対策として用いるのは、促進剤である。

1.㋐

2.㋐、㋓

3.㋑、㋒

4.㋑、㋒、㋓

5.㋒

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

記述㋐ですが「エントラップト」エアーは自然に混入する空気のことです。AE剤等によって持ち込まれる空気は「エントレインド」エアです。よって、記述㋐は誤りです。

正解は 3~5 です。

記述㋒は正しい記述とわかります。

記述㋑はブリーディング「水」についての記述です。レイタンスとは、ブリーディング水と共に上昇してくる多孔質、脆弱な「泥膜層」のことです。よって、記述㋑は誤りです。

正解は 5 です。

記述㋓ですが、日平均気温が 25℃を超えると「暑中コンクリート」としての施工が必要になります。温度が高いため、セメントの水和反応が活発になります。それに更に促進剤を加えるというのは誤りです。AE 減水剤遅延形などを用います。

以上より、妥当なものは㋒です。

正解は 5 です。

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