2020年 国家一般職(高卒 技術) No.39 ソフトウェア技術 解説

 問 題     

情報セキュリティに関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

・ 共通鍵暗号方式は、暗号化と復号に同じ鍵(共通鍵)を用いる。このため、通信相手ごとに異なる共通鍵が使用される。n 人で相互に通信する場合、必要な共通鍵は ㋐ 個である。

・ 公開鍵暗号方式は、暗号化に受信者の公開鍵を、復号に受信者の秘密鍵を用いる。このため、複数の通信相手に対して同じ公開鍵が使用される。n 人で相互に通信する場合、必要な公開鍵と秘密鍵の合計は ㋑ 個である。

・ 公開鍵暗号方式を応用したディジタル署名では、例えば、電子メールを送信する際に、メール本文が改ざんされていないことが証明できる。これは、情報の ㋒、すなわち、情報が、欠落や重複したり、改ざんされることなく、正確で安全であることの維持につながる。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

㋐ ですが
n = 2 の時を考えます。暗号分野でよく出てくる アリスとボブを考えます。2人であれば、2人に共通な鍵は1個です。つまり、n = 2 の時、必要な共通鍵は1です。㋐ が もし 2n なら、n = 1 の時、必要な鍵が2個になってしまいます。従って、㋐ は n(n-1)/2 です。正解は 4 or 5 です。これにより、㋑ は 2n とわかります。

㋒ ですが
正確に用語の定義や意味を覚えていなくても「情報が・・・、改ざんされることなく・・・」という点から「完全」の方が意味として妥当に感じるのではないでしょうか。㋒ は「完全性」が妥当です。

ちなみに、情報の「可用性」とは「情報を使いたい時に使えるような性質、状態」のことです。例えば「24 時間、突然の災害時にもデータにアクセスできる状態」であれば「可用性を十分備えている」といえます。

以上より、正解は 5 です。

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