過去問 2021年 国家一般職(高卒 基礎)No.40 解説

 問 題     

中国の思想家に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.孔子は、仁と礼を兼ね備えた君子が法律によって国を治める法治主義を理想とした。彼は秦の始皇帝によって宰相に登用され、それと同時に儒教は中国の官学となった。

2.孟子は、人間は生まれながらにして四端の心をもっているとして性善説を唱えた。一方、荀子は、性悪説を唱え、礼によって人々の性質を矯正する必要を説いた。

3.荘子は、農村共同体のような小国家(小国寡民)こそ理想社会であると説いた。また、著書『老子』では、全ての人々を差別なく愛する兼愛の思想が説かれた。

4.墨子は、親子や兄弟の間に自然に発生する孝悌の情を重視し、これを様々な人間関係に推し進めることによって戦争を無くすことができるとする非攻論を展開した。

5.朱子(朱熹)は、武力によって民衆を支配する覇道を退け、仁義に基づいて民衆の幸福をはかる王道政治を強調し、民衆の平等が幸福につながると主張した。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
法治主義を理想としたのは、韓非子です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
孟子の性善説、荀子の性悪説についての記述です。

選択肢 3 ですが
小国寡民は老子の説いた理想社会です。「莊子」ではありません。また、兼愛の思想は墨子です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
孝悌(こうてい)の情は、仁の基本です。重視したのは孔子です。選択肢 4 は誤りです。ちなみに、後半の墨子ー非攻論の組み合わせは妥当です。

選択肢 5 ですが
覇道を退け、王道政治を強調したのは、孟子です。「朱子」ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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