問 題
火山に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.日本列島はプレートの沈みこみ帯にできた弧状列島で、火山は、海溝から一定距離だけ離れた場所から現れ始め、海溝とほぼ平行に帯状に分布する。
2.大陸での火山活動は、ホットスポットと呼ばれる狭い地点に限定され、プレートの境界部で起こるのが特徴である。そのため、オーストラリア大陸では各地に火山が点在している。
3.噴火の激しさは、マグマの粘性とマグマ中のガスの量によって決まる。高温で二酸化ケイ素(SiO2)の量が少ないマグマほど、粘性が低く流動しにくいため、噴火は爆発的になる。
4.溶岩は、火山の噴火により放出された火山砕屑せつ物の一つであり、マグマの性質や固まる場所の違いなどによって、縄状、柱状、チャートなどの形態を示す。
5.日本には、溶岩が繰り返し放出されることによってできた、円錐形のカルデラ火山が多く存在しており、富士山や阿蘇山はその代表例である。
解 説
選択肢 1 は妥当です。
日本列島の南半分がユーラシアプレートに、北半分が北米プレートに乗っており、その下にフィリピン海プレートと太平洋プレートが沈み込んでいます。
選択肢 2 ですが
前半部分は妥当です。ホットスポットの代表例はハワイ諸島です。火山の分布は主に、プレート境界部分である中央海嶺、島弧ー海溝付近や、プレート境界でないホットスポットなどに集中して分布しています。「ホットスポット」が「プレート境界部」と記述しているため、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
SiO2 の量が少ない → 粘度が低い という部分は正しいのですが、粘度が低いのであればサラサラなので「流動しやすく」なります。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
チャートは、放散虫などの石英質の殻をもつ生き物の殻がたまってできた石のことです。堆積岩の中でも、生物岩に分類されます。マグマが固まったものでは、ありません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
富士山は円錐形、阿蘇山は巨大な外輪山で囲まれた 凹形のカルデラをもった形です。富士山はカルデラ火山の代表例ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1 です。
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