問 題
図Ⅰ、図Ⅱ、図Ⅲは、ある地域における音楽コンサート(以下「音楽」という。)と舞台パ
フォーマンス(以下「舞台」という。)の公演回数の推移、音楽と舞台の市場規模の推移、音楽と舞台のジャンル別市場規模構成比をそれぞれ示したものである。これらから確実にいえることとして最も妥当なのはどれか。
1.2013~2019 年の「音楽」と「舞台」の合計をみると、公演回数が前年より増加している年では、市場規模も前年より増加している。
2.2013~2019 年の「舞台」の公演回数のうち、対前年増加率が 5 % を超える年は、 1 年のみである。
3.2012 年に対する 2019 年の市場規模の増加率は、「音楽」の方が「舞台」よりも大きい。
4.2019 年についてみると、「ポップス」の市場規模は「ミュージカル」の市場規模の 4 倍よりも多い。
5.2019 年の「音楽」におけるジャンル別市場規模をみると、「クラシック」の方が「歌謡曲」よりも 300 億円以上多い。
解 説
選択肢 1 ですが
まず大まかに見ると、公演回数の合計も、市場規模も、全体的に右上がり傾向です。で、たまにかくっと下がっているので、そこに注目して判断します。下図の部分を見ると、2015 → 2016 において「公演回数は増加、市場規模減少」と読み取れます。
従って、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
舞台の公演回数 のみに注目すると、以下のようになります。
2013 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
67,130 | 65,741 | 64,923 | 68,414 | 68,851 | 69,126 | 74,836 |
まずざっと見ると、2013 ~ 15 は数値が減少しているので、無視して OK です。また、2016 → 2017、2017 → 2018 は、1%も増加していません。そのため、注目すべきは2つの部分だけです。すなわち、「64,923 → 68,414」・・・(1) と、「69,126 → 74,836」・・・(2)です。
(1)ですが、元の数値を 65,000 とします。1%が 650 です。5%は 3250 です。65000 + 3250 = 68250 < 68,414 です。従って、5% 以上の増加率と判断できます。
(2)ですが、元の数値を 69,000 とします。1%が 690 です。5%は 3450 です。69000 + 3450 = 72450 < 74,836 です。5%以上増加しています。従って、対前年増加率が5 % を超える年は2年あります。1年のみではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
以下の部分に注目します。
音楽(1,916 → 4,237)の増加率が2倍以上です。一方、舞台(1,419 → 2,058)の増加率は、2倍より明らかに小さいです。つまり、音楽の方が舞台より大きいという記述は妥当です。
選択肢 4 ですが
2019 年におけるジャンルの異なる市場規模の比較なので、図Ⅱと図Ⅲの該当する部分に注目します。
「4,237 の 49.2%」・・・(1)と、「2,058 の 38.3%」・・・(2)の4倍の比較です。(2)は、(1)から見ると市場規模がほぼ半分、割合 50% に対する 40% と見れば 大体 0.8 倍です。つまり、(2)は(1)の大体 0.4 倍です。4倍すると(1)の 1.6 倍となります。従って、(1)は、(2)の4倍より少ないと評価できます。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
選択肢 4 と同じ部分に注目します。2019 年の音楽市場規模は 4,237 です。クラシックの構成比率は 17.5%、歌謡曲は 11.9 % となっています。
構成比率の差が 約 5.5% です。4,237 の 1% が 42.37 なので、4,237 の 5.5% は、大体 230 ぐらいです。従って、差は 300 億円より少ないと判断できます。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
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