公務員試験 2021年 国家一般職(教養) No.25解説

 問 題     

図Ⅰ、Ⅱ、Ⅲは、我が国における外国人労働者数及び国籍別割合の推移、外国人労働者数の産業別割合、外国人労働者数の産業別・国籍別割合をそれぞれ示したものである。これらからいえることとして最も妥当なのはどれか。

ただし、国籍別割合で示されている「その他」に含まれる国の国籍については、考えないものとする。また、図において、四捨五入の関係により、割合の合計が100 % にならない場合がある。

1.2015 年から2019 年にかけて、外国人労働者数に占める中国国籍の労働者数の割合は低下し続けており、中国国籍の労働者数は全ての年で前年を下回った。

2.国籍別の外国人労働者数について、各年の上位3 国籍の労働者数の合計をみると、2019 年は2014 年の5 倍以上である。

3.2014 年と2018 年を比較して国籍別の外国人労働者数の増加率をみると、ベトナム国籍の労働者数の増加率はネパール国籍の労働者数の増加率の 5 倍以上である。

4.2019 年における医療・福祉に従事するフィリピン国籍の労働者数は、同年の卸売業・小売業に従事するブラジル国籍の労働者数の半分より少ない。

5.2019 年において、建設業ではベトナム国籍の労働者数が占める割合が最も高いが、ベトナム国籍の労働者数のうち建設業に従事する労働者数の割合は 2 割に満たない。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが
2015 ~ 2019 年の話がわかるのは、図Ⅰのみです。図Ⅰに注目します。問われているのが「外国人労働者数に占める中国国籍の労働者数の割合」です。図Ⅰから数値を拾ってまとめると、以下のようになります。(本番では、パッと見て、頭で考えたい部分です。)

20141516171819
外国人総数7889081084127914601659
中国人の割合39.635.531.829.126.625.2

中国人の人数は、例えば 2014 年であれば、788 × 0.396 で求めることができます。大体 800 弱 × 0.4 弱 = 320 弱 ぐらいと評価できます。すると、2015 年は 900 強 × 0.35 強 で、315 強 で、少し減っていそうです。

後は1年ずつ見てもよいのですが、可能であれば、表全体の傾向に注目するとよいです。すなわち、外国人総数はぐっと増え、一方で中国人の割合の減少が比較的小さい 2016 → 2017 や 2018 → 2019 に注目します。すると、中国人労働者数が増えている年がある、とわかります。ぜひ自分で評価してみてください。選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 ですが
2014 年と 2019 年の比較をしているので、図Ⅰに注目します。外国人総数は、788 → 1659 です。800 弱 から 1600 強と見て「総数2倍強」です。上位3国籍の合計割合は 2014 年も 2019 年も、ほぼ 60% で変更なしです。

総数2倍強、割合変更なしであれば、全体として、2倍強です。5倍強にはなりません。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが
2014 年と2018 年を比較しているので、図Ⅰに注目します。外国人総数:788 → 1460(2倍弱)、ベトナム:7.8 → 21.7(約 3 倍弱)、ネパール:3.1 → 5.6(2倍弱) という数値をおさえます。

ベトナムの労働者数増加率は、全体の増加率 × 割合の増加率なので、2倍弱 × 3倍弱で「6倍弱」・・・(1)です。ネパールの労働者数増加率は、2倍弱 × 2倍弱で「4倍弱」・・・(2)です。(1)は、(2)の5倍以上にはなりません。選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 ですが
2019 年の産業別が聞かれているので、図Ⅱ、Ⅲに注目します。図Ⅱより、医療・福祉は 2.1%、卸売・小売は 12.8%(医療・福祉の6倍強)です。

図Ⅲより、医療・福祉の中で、フィリピン人は 29.4%(3割弱)です。卸売・小売の中で、ブラジル人は 2.6% です。

2.1% のうちの 3割弱 と 12.8% のうちの 2.6% のさらに半分 の比較です。フィリピン人の方が多いです。選択肢 4 は誤りです。

1~4誤りなので、正解は 5 です。

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