公務員試験 2019年 国家一般職(高卒 技術) No.30解説

 問 題     

発電方式に関する次の記述の ㋐,㋑,㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

・ 風力発電は,風の運動エネルギーを利用する発電方式であり,風車の単位時間当たりの風力エネルギーは,風車の受風面積に比例し,風速の ㋐ 乗に比例する。

・ 燃料電池発電は, ㋑ と酸素とを化学反応させて電気を発生させる発電方式である。

・ ㋒ 発電は,地下から発生する天然蒸気を利用する発電方式である。

  ㋐ ㋑ ㋒
1. 2 炭素 地熱
2. 2 水素 バイオマス
3. 3 炭素 地熱
4. 3 炭素 バイオマス
5. 3 水素 地熱

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

風車の単位時間当たりの風力エネルギーは
受風面積に比例し、風速の3乗に比例します。

知らなくても本問は ㋑、㋒ を判断することで正答できますが、重要な知識なのでぜひこの機会におさえておきましょう。

ちなみに、なぜ3乗かというと、まず風の運動エネルギーは mv2 です。ここだけ見ると「風速の2乗じゃないか?」と思うのですが、m がさらに 風速 v の1次式となります。なんとなく「あー、風速が大きいほど 風がどばーっと流れるから、風車にあたる単位時間当たりの空気の質量、多くなるもんね」というイメージでよいです。ちゃんと式を考えれば以下のようになります。

すなわち
空気の密度を ρ とおくと、風速 v なら、空気は風車受風面積 S、一辺 v、体積 S × v だけ風車に流れます。質量は一般的に「体積 × 密度」です。従って、m = (Sv) × ρ となります。S,ρ は定数なので、m は v の一次式です。  


燃料電池発電は、水の電気分解(2H2O → H2 + O2)の逆反応です。従って、水素と酸素を化学反応させて電気を発生させます。

地下から発生する天然蒸気を利用する発電方式は、地熱発電です。ちなみに、バイオマス発電とは、稲わらや建築廃材など、植物由来の生物資源(バイオマス)を直接燃焼する発電方式です。

以上より、正解は 5 です。

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