公務員試験 H24年 国家専門職(教養) No.30解説

 問 題     

我が国の交通事情に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 2010年12月に東北新幹線の八戸・新青森間が2011年3月に九州新幹線の博多・新八代間が開業し青森県から鹿児島県までが新幹線で結ばれた。これにより当初計画されていた整備新幹線の路線はすべて開業することとなった。また新路線の開業に伴って営業運転速度の高速化も図られ九州新幹線では営業時の最高速度では世界最高となる時速400km 運転が実現した。
  2. 2010年の交通事故において高齢者(65歳以上の者)の死者数は初めて総死者数の半数を超えたが総死者数は5千人を下回り10年連続の減少となった。この減少の要因としてシートベルト着用者率が向上して事故の被害が軽減されたこと高速で走行する車両の事故が減少したことなどが考えられている。
  3. 首都圏では24時間運用可能な国際空港として羽田成田に次いで茨城空港が2010年3月に開港した。東アジア地域では国際化の進展による航空需要の増大と空港整備の進展による空港間競争の激化が進んでおり国際競争力を維持・強化するため今後10年以内に定員200人以上の中大型機の離着陸が可能な空港を全都道府県に整備する方針も同年に閣議決定された。
  4. 高速道路(高速自動車国道)の供用延長は2009年度末で約2千km となった。高速道路の建設は従来日本道路公団が財政投融資などから資金を借りこれを料金収入で返済する方式で行ってきたが、道路公団の民営化後は国と都道府県が全額費用を負担して道路を建設する直轄方式にすべて改められた。
  5. 都市圏の交通混雑を緩和するため自動車を都市郊外の駐車場に止め鉄道に乗り換えて都市中心部に入る方式であるトランジット・モール制度が一部都市圏で2011年に導入された。また特定の道路や地域時間帯における自動車利用者に対して課金するパークアンドライド制度が2010年から実施されている。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが、整備新幹線とは、北陸新幹線を含む 5 路線のことです。「全区間」はまだ完了していません。北陸新幹線の延長計画などから判断したい選択肢です。類題)一般職教養 H28no29 肢1

選択肢 2 は、妥当な記述です。

選択肢 3 ですが、茨城空港は明らかに誤りです。国際空港、24 時間といえば関空と連想すれば、誤りと判断できるのではないでしょうか。

選択肢 4 ですが、高速道路の供用延長とは、高速道路が開通して使用されるようになった長さが伸びるということです。現時点で 「2000km」 というのは短すぎると判断できるのではないでしょうか。2009 年時点で、10000km に到達しようとしています。

ちなみに、これまでは税金から建設費を投入して建設だったものが、国と都道府県や政令指定都市が全額費用負担するという「新直轄方式」に改められました。

選択肢 5 ですが、前半はパークアンドライド制度の説明です。ちなみに、トランジットモール制度とは公共交通機関のみ許される歩行者専用空間のことです。

以上より、正解は 2 です。

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