問 題
pn 接合に関する次の記述の㋐~㋓に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
「真性半導体の単結晶の一方にアクセプタを混入して p 形半導体の領域(以下「p 形領域」という。)をつくり、他方にドナーを混入して n 形半導体の領域(以下「n 形領域」という。)をつくったとき、p 形領域と n 形領域が接した状態を pn 接合という。
pn 接合では、接合面付近に空乏層が生じる。これは、接合面付近において、拡散によって、p 形領域の多数キャリアである ㋐ が n 形領域へ、n 形領域の多数キャリアである自由電子が p 形領域へ移動し、拡散した ㋐ と自由電子が互いに ㋑ ためである。
空乏層内の p 形領域では、アクセプタがイオンとなるために ㋒ の電荷が現れ、空乏層内の n 形領域では、ドナーがイオンとなるために ㋓ の電荷が現れる。」
/ | ㋐ | ㋑ | ㋒ | ㋓ |
1. | 価電子 | 反発し合って移動する | 正 | 正 |
2. | 価電子 | 反発し合って移動する | 正 | 負 |
3. | 価電子 | 反発し合って移動する | 負 | 負 |
4. | 正孔 | 結合して消滅する | 正 | 負 |
5. | 正孔 | 結合して消滅する | 負 | 正 |
正解 (5)
解 説
㋐ですが
p は positive の略です。正電荷を連想すれば「正孔」を選べるのではないでしょうか。正解は 4 or 5 です。これにより、㋑は「結合して消滅する」とわかります。
㋒、㋓ですが、㋓が特にイメージしやすいと思います。ドナーは、電子を「与える」ような、電子が余っている物質です。ドナーが電子を与えると、自身の「電子が減る」のだから「正」の電化が現れます。式で表すなら、ドナーを D とおくと D → D+ + e– です。従って、㋓が「正」です。
以上より、正解は 5 です。
類題 H29no27
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