過去問 2023年 国家一般職(高卒 基礎)No.39解説

 問 題     

食料問題に関する記述として最も妥当なのはどれか。


1.発展途上国の中には深刻な食料危機に直面している国もあり、このような状況を改善するため、UNESCO は、熱帯雨林などの森林開発に取り組んでいる。

2.我が国の食料自給率は、近年、カロリーベースで約 40 % となっており、米国やフランスなどの他の先進国と比べると、低い水準となっている。

3.我が国では、生産調整(減反政策)で米の生産を制限していたが、地産地消の運動が広がり米の需要が増えたため、1990 年代に食糧管理制度を導入し、米の供給を増やした。

4.我が国では、2000 年代後半の農地法の改正により、一般企業が農地を借りて農業に参入できるようになったことで、遺伝子組換え作物の生産量が急増している。

5.貿易自由化の流れの中、2010 年代前半に行われた GATT のウルグアイ・ラウンドで、我が国は米の輸入の完全自由化に同意し、関税を撤廃した。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
UNESCO:United Nations Educational、 Scientific and Cultural Organization は国際連合教育科学文化機関です。熱帯雨林などの森林開発に取り組んではいません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
食料自給率についての記述です。

選択肢 3 ですが
我が国の米需要は減少傾向です。また、食糧管理制度は 1995 年に廃止されました。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
日本において食用・飼料用として使用することを目的とした遺伝子組換え農作物の商業栽培は、本試験時点においてありません。「遺伝子組換え作物の生産量が急増している」という記述は不適切と考えられます。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
GATT のウルグアイ・ラウンドは 1988-1994 年の貿易交渉です。このラウンドにおいて、コメは関税化の例外とされました。「2010 年代前半に行われた」わけではありません。また、米の輸入の完全自由化に同意もしていません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 2 です。

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