問 題
鉄筋コンクリート構造物において、鉄筋の弾性係数が 2.1 × 106 N/mm2、ヤング係数比が 15 であるとき、コンクリートの弾性係数として最も妥当なのはどれか。
解 説
ヤング係数は、ひずみについての知識としてぜひおさえておいてほしいポイントです。ひずみについての基礎知識が以下の通りです。
【ひずみに関する基礎知識】
力を加えて、元々 長さ l の物体が Δl 伸びた時、ひずみ ε を Δl/l で表します。この時、E をヤング係数(ヤング率)として、σ = Eε が成立します。σ は軸応力です。軸方向力を P、断面積 A とすると、軸応力 σ は P/A です。
本問は鉄筋の弾性係数が与えられて、比率が15の時に コンクリートの弾性係数は?という問です。そのため「鉄筋の弾性係数×15」か、「鉄筋の弾性係数÷15」が答えです。どちらが大きいか知っていればすぐわかるのですが、知らなかった場合、以下のように推測すると良いと思います。
鉄筋コンクリートに軸方向の引張力 P を与え、鉄筋もコンクリートも ε 伸びたとします。鉄筋コンクリートでは「鉄筋が引張りに強く、引張応力を受け持つ」というのは基本知識です。そのため、鉄筋は多くの力を受け持ち、かつ、鉄筋部分の断面積は小さいです。つまり、P/A は 大きくなります。σ = Eε の左辺が、鉄筋に注目すると大きい値ということです。
鉄筋コンクリートは一体なので、ε は コンクリートも鉄筋も同じ値です。そのため、具体的な値で考えると、コンクリートよりも鉄筋の ヤング係数が大きいと推測できます。
鉄筋の方が大きいから
2.1 × 106 ÷ 15 = 1.4 × 105 が コンクリートの弾性係数です。
以上より、正解は 2 です。
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