2023年 国家一般職(高卒 技術) No.65 土木基礎力学 解説

 問 題     

水平に置かれた内径 1 m、水路長 50 m の円形管水路において、流量が 0.3 m3/s で水が流れているとき、摩擦損失水頭として最も妥当なのはどれか。ただし、重力加速度の大きさを10 m/s2、円形管の摩擦損失係数を 0.05、円周率を 3 とする。


1.0.002 m
2.0.004 m
3.0.008 m
4.0.02 m
5.0.04 m 

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

【摩擦損失水頭の基礎知識】
水頭とは、水の持つエネルギーを水柱の高さとして表したもの のことです。エネルギーが位置エネルギーや運動エネルギーに分けられるように、水頭も位置水頭などに分けられます。摩擦損失水頭とは、摩擦によって失われるエネルギーのことと考えればよいです。


「円管での摩擦損失水頭」は公式です。
管の長さに比例するのはなんとなくイメージでわかるのではないでしょうか。また、管が広いとスムーズに流れて損失が少ないことを反映して、直径に反比例します。管の長さを l、直径を d とします。また、以降 f を摩擦損失係数と呼びます。

水頭が head なので 摩擦損失水頭を ΔH とすると ΔH = f × l/d × v2/2g です。「v2/2g」は、ベルヌーイの定理における、運動エネルギー部分と対応している点を意識すると覚えやすいと思います。

問題文より
d = 1、l = 50、g = 10、f = 0.05 です。後は v がわかればよいです。流量 Q が 0.3 と与えられているので連続の式 Q = Av を思い出します。断面積 A は直径 1 m より 半径 0.5m の円の面積で、円周率は3と与えられているため、(0.5)2 × 3 = 0.75 です。従って、連続の式より 0.3 = 0.75 × v  ∴ v = 0.4 です。

ΔH = 0.05 × 50/1 × (0.4)2/(2×10)
= 0.02 です。


以上より、正解は 4 です。

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