公務員試験 2023年 国家一般職(土木) No.32 解説

 問 題     

セメントの種類に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 早強ポルトランドセメントは、C3S(エーライト)の割合を多くすることで早期に高い強度が得られるセメントである。

㋑ 超早強ポルトランドセメントは、C3S とC3A(アルミネート相)の割合を減じてC2S(ビーライト)の割合を多くすることで水和熱を低く抑えたセメントである。

㋒ 耐硫酸塩ポルトランドセメントは、C3A の割合を減じてC4AF(フェライト相)の割合を多くすることで硫酸塩に対する抵抗性を高めたセメントである。

㋓ フライアッシュセメントは、高炉スラグ微粉末とポルトランドセメントを混合することで化学的抵抗性を高めたセメントである。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

㋐ は妥当です。
早強ポルトランドセメントは、エーライト(C3S)の配合比率を高めたセメントです。特徴はその名の通り、早く強度が発現するということです。かつ、長期強度が維持されます。水和熱による発熱が大きく、低温時でも強度発現が良好であるという点も特徴的です。

㋑ ですが
超早強ポルトランドセメントは、早強ポルトランドセメントよりもさらにエーライト (C3S) の比率を高め、より早く強度が発現するセメントです。水和熱による発熱も大きいです。「C3S…の割合を減じて」「水和熱を低く抑えた」セメントではありません。㋑ は誤りです。

㋒ は妥当です。
耐硫酸塩ポルトランドセメントについての記述です。C4AF は、鉄アルミン酸 4 カルシウムです。分子式 4CaO・Al2O3・Fe2O3 で表されます。

㋓ ですが
フライアッシュセメントは、火力発電所から出るフライアッシュを混ぜるセメントです。フライアッシュは微粉炭を燃焼させた際に発生する石炭灰で、集塵器で捕集されたものです。ふわふわ飛ぶからフライアッシュという名前です。記述は「高炉セメント」についてです。㋓ は誤りです。


以上より、正解は 2 です。

類題 高卒技術 2019 no77
https://yaku-tik.com/koumuin/2019-gijyutu-77/

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