公務員試験 2023年 国家一般職(土木) No.28 解説

 問 題     

ある自然状態の飽和した粘土の試料をサンプリングしたところ、体積は 20 cm3、質量は 35  g であった。この試料を炉乾燥したところ、質量は 25 g になった。この試料の自然状態での間隙比として最も妥当なのはどれか。ただし、水の密度は 1.0 g/cm3 とする。

1. 0.80
2. 0.90
3. 1.0
4. 1.1
5. 1.2

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

【土についての基本知識】
土が出てきたら、土は固体、液体、気体の混合物 が基礎知識です。固体部分が「土粒子」、液体部分が「水」、気体部分が「空気」です。それぞれの部分の質量と体積を分けて考えるのが基本です。ただし、空気部分はすごく軽いので、質量は考えません。

よく出てくる添字の 「s」 は solid、soil の略 で固体、「w」がwater の略で液体、「a」が air の略で気体部分のことです。また 大文字の V は体積です。W は重量です。

【間隙比についての基礎知識】
間隙比 e = Vv/Vs です。
Vv = Va + Vw です。土粒子以外の部分の体積のことです


本問では、炉乾燥により 35 ー 25 = 10g 減少しています。減少したのは「土に含まれていた水の質量」です。Ww = 10g とわかります。また、水の密度 1.0 g/cm3 なので、水の体積 Vw = 10 ÷ 1.0 = 10 cm3 です。


元々の土試料が「飽和」なので、空気部分は存在せず、土粒子と水しかありません。そのため 土粒子の体積 Vs = 20 – 10 = 10cm3 とわかります。

従って、間隙比は
e = 10/10
= 1.0 です。


以上より、正解は 3 です。

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