問 題
図のようなトラスの節点B に水平集中荷重が作用し、節点D に鉛直集中荷重が作用しているとき、部材 BD に作用する軸力の方向とその大きさの組合せとして最も妥当なのはどれか。ただし、部材の自重は無視するものとする。
解 説
【引張力、圧縮力について】
トラスの各軸力について、引張と圧縮について思い出します。軸力が「→←」となったら「外からは引っ張られて」います。だからこれは引張力で+です。逆が圧縮力です。
【支点反力の計算】
まずは反力を RA、HA、Rc と仮定します。水平方向に P 外力があるため、HA = P 向きは左向きです。また、RA、Rc は共に上向きで RA + Rc = P…(1) です。
【接点法による軸力の計算 点 A 周り】
まず点 A のピン周りに注目します。縦方向の力の釣り合いを考えると、斜めの部材には左下方向の力がかかっています。← と ↓ に力を分解すれば、縦方向の力の釣り合いより、下向きの力の大きさが RA です。
直角三角形の辺の比は相似より 斜辺を 5 として、5:4:3 です。これにより左向きの力が 3RA/4 と表せます。
そして、横方向の力の釣り合いより AB 方向の部材には、右向き (3RA/4) + P の力が作用しています。
【接点法による軸力の計算 点 B 周り】
部材 AB 方向は、左向きに (3RA/4) + P 作用しているので、斜め部材における横向きの力の和が 右向きに (3RA/4) です。
さらに、縦方向の和が 0 であることをふまえれば、DB↘ BC ↗ という力の向きです。そして縦方向の向きが反対で力の大きさが同じでなくては和が 0 になりません。縦方向の力の大きさが同じであれば、横方向の力の大きさ も同じです。
同じものの和 ◯ + ◯ = (3RA/4) となるから、◯ = 3RA/8 です。これにより、部材 BD に作用する軸力は 5RA/8 …(2) です。また、軸力の方向は 「←→」なので圧縮方向です。正解は 1 ~ 3 です。後は RA を P で表せばよいとわかります。
【接点法による軸力の計算 点 C 周り】
下向き Rc だから、RA/2 = Rc です。すると、RA + Rc = P …(1) より RA = 2P/3 です。従って、求めたい部材 BD の軸力は (2) の式に代入して、(5/8 × 2/3) P = 5/12 P です。
以上より、正解は 1 です。
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