2022年 国家一般職(高卒 基礎)No.39 解説

 問 題     

人口問題に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.世界をみると、特に中米諸国での人口増加が著しい。中米諸国では、貧困や児童労働などが課題となっているが、農業が盛んであるため、飢餓問題は発生していない。

2.人口の爆発的な増加を抑えるためには、出産する子どもの数や時期を計画的に調整する家族計画の普及が重要とされており、インドやアフリカ南部の国では、農村部も含めてその普及に成功している。

3.多くの先進国では、少子高齢化が問題となっており、フランスやスウェーデンでは、子育て世帯の税負担の軽減策を講じたものの、出生率の低下に歯止めがかかっていない。

4.中国では、20 世紀後半に導入された「一人っ子政策」により、出生率と人口増加率は減少した。しかし、この政策の影響により労働力人口が減少し、急速に高齢化社会に移行しつつある。

5.我が国の高齢化率は2000 年以降継続して40 % を超えており、世界で最も高齢化が進行している。この状態が続けば、21 世紀後半には人口が現在の3 分の1 になるとの見方が有力である。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
世界において人口増加が著しいのはアフリカ諸国です。「特に中米諸国での人口増加が著しい」わけではありません。また、中米諸国において「飢餓問題は発生していない」という記述は不適切と考えられます。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
「家族計画・・・インドやアフリカ南部の国では・・・普及に成功している」わけではありません。仮にそうであれば、インドやアフリカ南部の国において人口増加が抑制されているということになり、知識と矛盾する点からも判断できるのではないでしょうか。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
フランスやスウェーデンについて、出生率低下にある程度歯止めがかかった後に、また減少傾向にあるという現状です。「・・・策を講じたものの、・・・歯止めがかかっていない」という記述は不適切と考えられます。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
中国の「一人っ子政策」の結果についての記述です。

選択肢 5 ですが
高齢化率とは、65 歳以上の高齢者が人口全体に占める割合のことです。「40%」は高すぎです。本試験時点で 30% 弱です。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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