2022年 国家一般職(高卒 基礎)No.38 解説

 問 題     

我が国の雇用や労働などに関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.失業率とは、全人口に対する失業者の割合を示している。我が国の失業率は、リーマン・ショック以降、上昇を続けており、令和 2 年には 10 % を超えている。

2.戦後の我が国の労使関係は、「日本型経営」とも呼ばれ、業績を重視した成果主義や終身雇用制、不況期に一時的に労働者を休職させるレイオフなどがその特徴である。

3.ワーク・ライフ・バランスとは、人生 100 年時代を念頭に、老後に発生する支出をあらかじめ見積もり、それに応じて働く期間と退職後の期間を配分する考え方のことを指す。

4.労働基準法は、労働者を保護するため、労働条件の最低基準を定めた法律である。この労働基準法が守られるように監督するため、都道府県労働局や労働基準監督署などが置かれている。

5.近年、女性の育児休業取得率は低下しており、令和 2 年度は 60 % を下回った。一方で、男性の取得率は上昇しており、令和2 年度は 20 % を超え、政府目標を上回った。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
失業率(完全失業率)は、労働力人口(就業者と完全失業者の合計)に占める完全失業者の割合です。分母にあたる労働者人口には、15歳未満や高齢者などが含まれません。そのため「全人口に対する」ではありません。また、失業率は長期的に低下傾向にあり、試験直近 10 年間は、大体2~3%です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
「日本型経営」の特徴は終身雇用、年功序列型、新卒一括採用、企業内労働組合などです。「成果主義」「レイオフ」などは当てはまりません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ワーク・ライフ・バランスとは、老若男女誰もが、仕事、家庭生活、地域生活、個人の自己啓発など、様々な活動について、自ら希望するバランスで展開できる状態といった内容です。老後の見積もりや配分についての用語ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
労働基準法などについての記述です。

選択肢 5 ですが
女性の育児休業取得率は上昇しています。本試験時点で 80% 程度です。男性も上昇していますが、本試験時点で 20% に到達してはいません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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