問 題
世界の都市問題等に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.世界の大都市圏では、都心部において夜間人口が多く昼間人口が少なくなる空洞化現象がみられ、治安の悪化が懸念されている。
2.インナーシティ問題とは、都心の地価が高騰し、一般的な収入層が都心部に住めず、郊外に虫食い状に住宅地が広がることをいう。
3.郊外に分散した都市機能を都市部の中心市街地に集め、より狭い範囲に居住空間を作るコンパクトシティの構想に基づいたまちづくりが我が国や欧米の都市で行われるようになっている。
4.首位都市(プライメート・シティ)とは、国の人口や経済の中心となる都市とは別に、国の政治や行政の中心都市として作られた都市をいう。キャンベラやジャカルタは、この代表例である。
5.英国ロンドンや米国ラスベガスでは、都市内部の倉庫跡地等を再開発して自動車産業を集約させたことで、2016 年、自動車輸出台数は米英が世界上位 2 か国となった。
解 説
選択肢 1 ですが
空洞化現象とは、都市部の人口が減ってしまい、郊外の人口が増えた現象のことです。つまり「夜間人口」が「少なく」なる現象です。「夜間人口が多く」ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
「郊外に虫食い状に住宅地が広がる」のは「スプロール現象」です。インナーシティ問題とは、大都市の都心周辺領域において居住環境や都市機能が悪化し、都市が衰退する現象。あくまでも都市の内部における都心周辺の話であり、郊外の問題ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
コンパクトシティについての記述です。
選択肢 4 ですが
首位都市(プライメート・シティ)は「人口や経済の中心となる都市」のことです。政治や行政の中心都市は「政治都市」と呼ばれたりします。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
自動車輸出台数ではドイツ・中国といった国の方が上位であると推測できるのではないでしょうか。「米英が上位2か国」ではないと考えられます。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
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