2022年 国家一般職(高卒 基礎)No.29 解説

 問 題     

我が国の地形と自然災害に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.沖積平野には氾濫原などの低地があり、洪水の被害を受けやすい。対策として、堤防の設置や、洪水時に一時的に水をためる遊水地の活用などがある。

2.河口付近には砂や泥が堆積した三角州が形成され、地震時に地盤が一時的に液体のようになる高潮の被害を受けやすい。対策として、避難シェルターや調節池の設置などがある。

3.海岸には、土砂が堆積した砂浜海岸や海底が隆起してできたリアス海岸などがある。砂浜海岸は、リアス海岸より津波の被害を受けやすく、対策として、防波堤などを設置している。

4.日本列島は、全体が一つの大きな太平洋プレート上に位置しているため火山が多い。火山噴火の予知は、我が国では成功しておらず、火山ハザードマップが公表されている。

5.日本列島は、アルプス=ヒマラヤ造山帯の最東端に位置し、山がちな地形が多く、土砂災害の被害を受けやすい。斜面が急速に崩れる地すべりを防ぐため、砂防堰(えん)堤を谷筋に設置している。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
沖積平野とは、主に河川の堆積作用により形成される平野です。

選択肢 2 ですが
地震時に一時的に液体のようになるのは「液状化現象」です。「高潮」ではありません。高潮は、台風や発達した低気圧が海岸部を通過する際に生じる海面の高まりのことです。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
リアス海岸とは、元々山地だった所が沈んだり、海面が上昇することによってできる、複雑に入り組んだ海岸線のことです。津波がこのリアス海岸のところにやってくると、谷の奥に行くほど津波が集まり、波が高くなります・このため、津波の被害を受けやすいのは「リアス海岸」です。

選択肢 4,5 ですが
日本列島は南半分がユーラシアプレートに、北半分が北米プレートに乗っていて、その下にはフィリピン海プレートと太平洋プレートが沈み込んでいます。「全体が一つの大きな太平洋プレートに位置」してはいません。また、日本列島は環太平洋造山帯に属します。アルプス=ヒマラヤ造山帯ではありません。選択肢 4,5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

類題 2019 no29 我が国の地形

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