問 題
磁束密度の大きさが B で鉛直上向きの一様な磁界中で、質量m、長さL、抵抗値R の金属棒を、金属棒が水平になるように、 2 本の同じ長さの軽い導線で水平な絶縁棒につり下げた。2 本の導線と金属棒は、形を保ったまま絶縁棒のまわりで自由に回転できるものとする。
図のように、導線の上端を電圧 V の直流電源につないで金属棒に電流を流したところ、導線は鉛直方向から 30°傾いて釣り合った。このとき、V として最も妥当なのはどれか。ただし、重力加速度の大きさを g とする。また、閉回路から発生する磁界の影響は無視できるものとする。
正解 (2)
解 説
【電磁力に関する基礎知識】
I(A) の電流が流れる長さ l (m) の導体と、磁束密度 B (T) の一様な磁界が直行する時、大きさ IBl の力が作用します。
向きはフレミングの左手の法則に従います。親指、人差し指、中指をそれぞれ直角に開き、中指を電流の向き、人差し指を磁界の向き (棒磁石であれば N → S) とすると、親指が力の向きと対応します。
金属棒を 質量 m の点として考えれば、以下のように単純化できます。静止しているので、縦方向の力の釣り合いに注目すれば、張力を縦方向に分解した力は mg です。また張力を横方向に分解すると mg/√3 です。釣り合うように mg/√3 の大きさの電磁力が作用します。
オームの法則より、I = V/R です。従って (V/R) × BL = mg/√3 と表せます。V = … に直せば、V = mgR/BL × 1/√3 です。1/√3 = √3/3 です。
以上より、正解は 2 です。
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