過去問 2021年 国家一般職(高卒 基礎)No.37 解説

 問 題     

日本経済の動向に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.1960 年代、10 年間で実質国民所得を 2 倍にする国民所得倍増計画が提唱された。この計画は、当初の予定から 3 年遅れで達成され、この状況は「もはや戦後ではない」と表現された。

2.第一次・第二次石油危機により、国内経済が著しく低迷したことを受け、金とドルとの交換が停止され、 1 ドル 360 円の固定為替レートが導入された。

3.1980 年代後半、金融緩和によりバブル経済が発生して好景気に沸いたが、1990 年代前半には、サブプライムローン問題によるリーマン・ショックの影響で、バブル経済が崩壊した。

4.1990 年代の日本経済の長引く不況に対処するため、日本銀行は、金利をゼロに近づけるゼロ金利政策を採用した。

5.2000 年代、金融機関が破綻した場合に備え、金融機関の自己責任と市場規律を重視し、一定率以上の自己資本比率を有することを義務付けるペイオフが導入された。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
所得倍増計画は、10 年間で当初予定の2倍以上の成果をあげました。「当初の予定から 3 年遅れで達成」ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
1945 年終戦後 1$ = 360 円の固定為替 → 1$ = 308 円のスミソニアンレート(1971) → 変動相場制に移行(1973)という流れです。石油危機後に固定為替レートが導入されたわけではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
リーマン・ショックは 2008 年の出来事です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。

選択肢 5 ですが
金融機関が破綻した場合、預金者に対して一定額の払戻しを保証する制度をペイオフといいます。ちなみに、金融機関の自己資本比率に関する用語としては「バーゼル規制」があります。国際決済銀行(BIS)のバーゼル銀行監督委員会が公表している、国際的に活動する銀行の自己資本比率等に関する国際統一基準です。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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