問 題
14 世紀以降の朝鮮半島の歴史に関する記述として最も妥当なのはどれか。
1.倭寇の撃退などで名声を得た李舜臣は、高麗を倒して王位につき、国名を朝鮮として釜山に都を置いた。彼は、漢字を廃止し、朝鮮独自の文字である訓民正音(ハングル)を制定した。
2.豊臣秀吉の朝鮮出兵によって断絶した国交を回復するため、江戸幕府が朝鮮に派遣したのが朝鮮通信使である。朝鮮通信使は将軍の代替わりの度に朝鮮に派遣された。
3.清に朝貢して鎖国政策を続けていた朝鮮は、日本との間で起こった江華島事件を機に、日朝修好条規を結び開国した。
4.第二次世界大戦の終結により朝鮮半島は北緯 38 度線を境に二分され、北は中国、南は米国の占領下に置かれた。その後、北には李承晩を首相とする朝鮮民主主義人民共和国が成立した。
5.朝鮮戦争後の韓国では、朴正熙大統領が米国の経済援助の下で反共的な独裁体制を敷いたが失脚し、その後、民主的な直接選挙で選ばれた金大中大統領が日本との国交を回復した。
解 説
選択肢 1 ですが
記述は「李成桂(りせいけい 이성계 イ・ソンゲ)」についてです。「李舜臣(りしゅんしん、이순신 イ・スンシン)」は、豊臣秀吉が朝鮮侵略を行った際に、朝鮮側において、亀甲船を用いて活躍した人物です。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
朝鮮通信使は「朝鮮からの使節」です。「江戸幕府が朝鮮に派遣」ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
江華島事件(1875 年)及び日朝修好条規(1876 年)についての記述です。
選択肢 4 ですが
当時の冷戦を反映し、北をソ連、南を米国が占領です。「北は中国」ではありません。また、李承晩(イ・スンマン)は、大韓民国の初代大統領です。朝鮮民主主義人民共和国の初代首相は金日成(キムイルソン)です。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
朴正熙(パクチョンヒ)大統領時代に、日本との国交正常化条約である日韓基本条約(1965 年)を締結します。金大中大統領は、韓国の民主化運動を推進し、初の南北首脳会談(2000 年)を行いました。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。
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