公務員試験 2021年 国家一般職(教養) No.26解説

 問 題     

次の表と図は、我が国の熱中症による救急搬送人員の年別推移とその年齢区分を示したものである。表は各年の 6 ~ 9 月の結果を、図は 2014 年以前については 6 ~ 9 月の、2015 年以降については 5 ~ 9 月の結果をそれぞれ示している。これらからいえることとして最も妥当なのはどれか。ただし、各年の 4 月以前、10 月以降の熱中症による救急搬送人員は考えないものとする。

1.2015 年以降の 5 月の救急搬送人員が最も少ない年は、2017 年である。

2.2018 年の 6 ~ 9 月の救急搬送人員に占める少年の割合は、 1 割を超えている。

3.2012 ~ 2018 年についてみると、新生児・乳幼児の救急搬送人員の合計は、4,000 人を超えている。

4.2018 年の高齢者の救急搬送人員は、2013 年の高齢者以外の救急搬送人員の合計よりも少ない。

5.2016 年以降の救急搬送人員のうち、高齢者の対前年増加率をみると、2017 年が最も大きい。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

本問では、4月以前(1~4月)及び、10月以降(10~12月)は考えないととあるため、結局5~9月のことだけ考えればよい、ということをまず自分でしっかり意識する必要があります。

また、表は「6~9月」、棒グラフについては、2012,13,14 年は「6~9月」のことであり、棒グラフの 2015 年以降は「5~9月」の統計であるということに気をつける必要があります。ここまでの内容を読み取れているかまず確認しましょう。以下、各選択肢について検討します。


選択肢 1 ですが
2015 年以降の5月なので、2015.5 月、2016.5 月、2017.5 月、2018.5 月の救急搬送人員数を読み取る必要があります。棒グラフが5~9月、表が6~9月なので、棒グラフの人数から、表の人数を引くことで、5月だけの救急搬送人員がわかります。注目するのは、以下の部分です。

ざっと評価すると、どれも 3000 人ぐらいなのですが、2017.5 月は 「ほぼ 53000」ー 49600 なので、3000 人超えです。一方、他の年度の5月は 3000 人未満です。よって「5 月の救急搬送人員が最も少ない年は 2017 年」という記述は誤りです。選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 は妥当です。
まず、表を見ると 2018 年 6 ~ 9 月の人数は 92,710 です。この1割の 9271 人より少年が多いかを考えるため、数値をふまえ、棒グラフの方の少年に注目します。

棒グラフの方は 5 ~ 9 月の値です。2018.5 ~ 9 月に熱中症で救急搬送されたのは 13192 人とわかります。知りたいのは 6 ~ 9 月ですが、それはわかりません

2018.5 月の救急搬送人員は 95137 ー 92710 で、大体 2400 人とわかります。5月に救急搬送された 2400 人が仮に全員少年だったとしても、13200 ー 2400 = 10800 人程度が少年です。

読みとったことをまとめると
2018.6 月 全体が 95137 で、そのうち少年は、少なくとも 10800 人です。従って、1割超えです。正解は 2 です。本番では、以降の選択肢を検討する必要はありません。


選択肢 3 ですが
新生児・乳幼児についてなので、棒グラフの以下の部分に注目します。

赤線部分の合計を評価すると、上3年分が 1200 強、次の3年分が ほぼ 1500、最後が 1000 弱となり、合計が大体 3700 です。2012,13,14 の5月分については、本問資料から読み取れず、これ以上わかることはありません。以上より、4000 人を超えているかは、この資料からはわかりません。選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 ですが
2018 年の高齢者は、棒グラフより 45,781 人です。2013 年については、5月分がこの資料から読み取れないため、わかりません。資料から判断できない内容なので、選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 ですが
2016 年以降、高齢者なので、棒グラフの以下の部分に注目します。

すると、25,228 → 25,930 → 45,781 と推移しており、2017 年 → 2018 年 の増加率が桁違いと読み取れるのではないでしょうか。つまり「2018 年」の対前年増加率が一番大きく、2017 年が最も大きいわけではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 2 です。

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