問 題
図Ⅰのように、粗い水平面上に静止している長さ l、高さ h、質量 m の一様な直方体の剛体を、点 O に付けた糸により紙面と平行かつ水平左向きに大きさ F の力で引っ張った。
F を徐々に大きくしていったところ、F が F0 を超えた直後、剛体は水平面上を滑ることなく傾き始めた。このとき、F0 として最も妥当なのはどれか。ただし、重力加速度の大きさを g とする。また、図Ⅱは剛体に働いた力を表しており、N は垂直抗力を、f は静止摩擦力を表す。
正解 (3)
解 説
本問題の回答に直接必要はないのですが、F を大きくしていった時「滑ることなく」とあるため、横向きに動いていません。いいかえると、静止摩擦力よりも F0 は小さいことがわかります。
「傾き始めた」というのは「点 A を中心として 反時計回りに回転し始めた」ということです。回転を考えるため、点 A まわりのモーメントを考えます。モーメントは「力 × 距離」です。
図Ⅱより、点 A まわりのモーメントを考えると
・力 mg によるモーメント1:mg × l/2 = mgl/2 (時計回り)
・力 F によるモーメント2:F × h (反時計回り)
モーメント1とモーメント2が等しい時が F = F0 であり、傾き始めた時と考えられます。F0h = mgl/2 ∴ F0 = mgl/2h です。
以上より、正解は 3 です。
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