公務員試験 2021年 国家一般職(土木) No.21 解説

 問 題     

図のように、曲げモーメント、鉛直集中荷重及び等変分布荷重が作用するゲルバー梁の支点A における鉛直反力の大きさはいくらか。ただし、梁の自重は無視するものとする。


1. 0 kN
2. 5 kN
3. 10 kN
4. 15 kN
5. 20 kN

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

ゲルバー梁の定石「ピン部分で分ける」で考えます。ピン部分を d とします。まず d よりも右側に注目します。等変分布荷重部分は集中荷重に直します。三角形の面積である 15 kN の集中荷重です。作用するのは重心部分なので、右端から 2m の点になります。

ピン部分なので、点 d 周りのモーメントの和が 0 です。

点 C における縦方向 上向きの反力を Rc とおけば、Rc によるモーメントが Rc × 6 (反時計回り) です。15kN によるモーメントが 15 × 4 = 60 kN・m(時計回り) です。従って、Rc = 10 とわかります。

縦方向の力の和が 0 なので、点 d において 上向きに 15 – 10 = 5 kN のせん断応力 Qd が作用することがわかります。これにより、ピン部分で分けた左部分に注目した際、d には せん断応力が下向きに 5kN の力が作用します。

ピン部分で分けて d 部分よりも左側に注目します。
上向きの支点反力 RA、RB と仮定します。

・縦方向の力の和が 0 なので
RA + RB = 15…(1)

点 d 周りのモーメントに注目すれば
・RB によるモーメント:RB × 1 = RB (時計回り)
・RA によるモーメント:RA × 4 = 4RA (時計回り)
・15kN・m の曲げモーメント (時計回り)

・下向き 10 kN によるモーメント:10 × 3 = 30 (反時計周り)

なので、4RA + RB = 15…(2) です。


(1),(2) を連立すれば、RA = 0 です。ちなみに、RB = 15 とわかります。


以上より、正解は 1 です。

コメント