問 題
切り花の品質保持に関する記述 A ~ D のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
A.エチレンは、多くの花きにおいて花弁の萎凋や離脱を促進する。エチレンへの感受性は種類によって異なり、一般に、カーネーションやスイートピーでは感受性が高い。
B.糖質処理は、多くの切り花の品質保持に効果があるほか、つぼみの開花を促進する。微生物の増殖や道管に存在する気泡などにより起こる道管閉塞は、切り花の水分状態を悪化させる。
C.品質保持剤には、抗菌剤、代表的なエチレン阻害剤である硫酸アルミニウム、浸透圧の調節に用いられる界面活性剤、葉の黄化抑制に効果がある植物成長調節剤などがある。
D.予冷方法のうち、切り花に最も適した方法は真空冷却である。送風機により予冷庫内の冷気を強制的に容器や切り花に直接吹き付ける強制通風冷却は、水分損失が大きく障害を起こしやすい。
1.A、B
2.A、D
3.B、C
4.B、D
5.C、D
解 説
記述 A は妥当です。
エチレンについての記述です。
記述 B は妥当です。
糖質処理 及び 道管閉塞についての記述です。
記述 C ですが
代表的エチレン阻害剤はチオ硫酸銀錯塩体 (STS:silver thiosulfate complex) や、1 – メチルシクロプロペン (1-MCP) です。硫酸アルミニウム (ミョウバン) はバラの品質保持に用いられるのですが、エチレン阻害ではなく蒸散抑制による水分関係の改善に機能します。記述 C は誤りです。
記述 D ですが
真空冷却は水分損失が大きく、障害をおこしやすいため「最も適した方法」とはいえません。青果物を穴の開いたダンボールに入れて、気圧の差を利用して開けた穴から冷気を引き込んで冷やす方法である「差圧通風冷却」が最も適切とされています。記述 D は誤りです。
以上より、正解は 1 です。

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