問 題
農作物の凍霜害及びその対策に関する記述 A ~ D のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。
A.凍霜害が発生しやすい気圧配置として、日本付近がシベリア高気圧に覆われた状態が挙げられる。このような日は夜間に風が強く、よく晴れるため強い放射冷却が発生しやすい。
B.凍霜害には初霜害と晩霜害の二つがあり、晩霜害は晩春から初夏にかけて発生するものを指す。晩霜害は初霜害よりも被害が大きくなりやすい。
C.散水氷結法はスプリンクラーなどで作物体に散水を行い、氷結時に発生する顕熱を利用して細胞の凍結を防止する。作物体全体に氷層ができれば、散水を終了させる。
D.送風法は、凍霜害の起こるような夜に上空で気温の逆転層が発達することを利用している。上空の暖気と地表付近の冷気を混合して温度差を小さくし、冷えた作物体を送風により暖める効果がある。
1.A、B
2.A、C
3.B、C
4.B、D
5.C、D
正解 (4)
解 説
記述 A ですが
放射冷却とは、地面の熱が空中へ逃げることによる冷却です。晴れた日で、冷えた空気がかき混ぜられないような風が「弱い」日に発生しやすい現象です。「風が強く・・・ため・・・発生しやすい」わけではありません。記述 A は誤りです。
記述 B は妥当です。
霜害 (そうがい) が「初夏または晩秋に気温が急に低下して、農作物や果樹に被害を与える現象」です。初夏のものを晩霜害、晩秋のものを初霜害といいます。
記述 C ですが
「顕熱 (けんねつ)」は温度変化を伴う熱です。氷結時に発生する熱のような「状態変化を伴う熱」は「潜熱 (せんねつ)」です。記述 C は誤りです。
記述 D は妥当です。
送風法についての記述です。
以上より、正解は 4 です。

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