2020年 国家一般職(高卒 技術) No.92 建築計画・建築法規 解説

 問 題     

音響に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 入射音が壁や窓などによって遮音される量を透過損失といい、一般に、単位面積当たりの質量が小さい壁ほど透過損失が大きくなる。

㋑ グラスウールやロックウールなどの通気性のある多孔質材料は、一般に、低音よりも高音をよく吸収する。

㋒ 騒音計には補正回路として A 特性と C 特性が組み込まれているものが多く、一般に、騒音を耳で聞いたときに感じる大きさが測定できるのは C 特性である。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

㋐ ですが
「単位面積当たりの質量」は面密度です。密度が「大きい」、ギュッと密な壁の方が「音を通さない = 透過損失が大きい」というイメージとなるのではないでしょうか。「単位面積あたりの質量が小さい壁ほど透過損失が大きい」わけではありません。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
多孔質は高音をよく吸収 が基本です。グラスウールやロックウールは多孔質材料の中では密度が大きい方で、比較的 中~低音域もよく吸収してくれます(H27 no91 建築物の音響 )。

㋒ ですが
「特性」は、周波数による重み付けです。どういう重み付けをするかで A 特性、C 特性、Z 特性があります。

まず、Z 特性が重み付けなしです。A 特性が日常的な音への特性、C が大きな音への特性という位置付けでしたが、近年は A 特性が多く用いられています。また、B 特性もあったのですが、使われなくなっています。「一般に、騒音を耳で聞いたときに感じる大きさが測定できる」のは「A 特性」です。㋒ は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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