2020年 国家一般職(高卒 技術) No.72 土木施工 解説

 問 題     

ある粘性土から成る地山を掘削して得られる土を用いて、5300 m3 の盛土を造成する。いま、近くの工事現場で発生した流用土がほぐし土量で 2600 m3 あり、この流用土を全て盛土の造成に利用し、不足分を地山から掘削してくる場合、掘削が必要な地山土量はおよそいくらか。

ただし、流用土のほぐし土量変化率、締固め土量変化率はそれぞれ 1.3、0.85 とし、粘性土から成る地山のほぐし土量変化率、締固め土量変化率はそれぞれ 1.2、0.90 とする。

1.3000 m3
2.3500 m3
3.4000 m3
4.4500 m3
5.5000 m3

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

【原土、ほぐれ土、盛土 の基礎知識】
山から掘ったり、購入した土を「原土」とします。

・原土 が 100 あったとしたら、ほぐれると体積が大きくなります。この変化率がほぐし土量変化率です。ほぐれた土は「ほぐれ土」と呼びます。土は運搬でほぐれるので、ほぐれ土については「運搬計画」において特に重要です

・土を押し固めると 体積が小さくなります。原土から見た変化率が 締固め土量変化率です。

・盛土としての土は、締固まった土です。

以上3点、前提知識とします。

 

【近くの工事現場で発生した流用土で 不足する量の計算】
ほぐし土量 2600、変化率 1.3  の土は、原土量 × 1.3 = 2600 なので、2600 ÷ 1.3 = 2000 が原土量です。

盛り土として運搬してから、原土 2000 を締め固めると、2000 × 0.85 = 1700 m3 です。盛土不足分は 5300 ー 1700 = 3600  です。

 

【掘削が必要な地山土量の計算】
地山土の締固め土量変化率が 0.90 とあるため、原土量 × 0.90 = 3600 となってほしいから、3600 ÷ 0.90 = 4000 原土が必要です

以上より、正解は 3 です。

類題 H28 no72 購入土の運搬土量

 

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