2020年 国家一般職(高卒 技術) No.66 土木基礎力学 解説

 問 題     

開水路の流れに関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。ただし、重力加速度の大きさは g とする。

「図のような開水路において、基準面からの水路床の高さが z、水深が H となるように、断面 A‒A’ をとる。断面 A‒A’ における水の断面平均流速が v であるとき、この断面を通る水のもつ全水頭 He は

と表される。これは、水路床より下方にとった基準面からのエネルギー線の高さを表している。

次に、基準面を水路床にとった場合のエネルギー線の高さ E は ㋐ と表される。この E を比エネルギーといい、E を最小にするような水深を ㋑ という。㋑ を基準として、常流と射流の判別を行うことが可能であり、水深が ㋑ より大きくなると流れは㋒となる。」

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

比エネルギーは、開水路において水路床を基準にとったときの全エネルギーを水頭の形で表したものです。ポイントは、流量を一定とした時に水深 Q と比エネルギー E について、以下のような特徴的なグラフが描けることです。

このグラフから読み取るべきポイントは「比エネルギーが最小になる時の、水深 hc」です。これを「限界水深」といいます。限界水深よりも水深が低い(浅い)と、射流、限界水深よりも水深が高い(深い)と常流です。

以上をふまえて、選択肢を検討します。

判断しやすいのは ㋑、㋒ です。E 最小の水深は「限界水深」です。水深が限界水深より大きい場合は、常流です。㋑ 限界水深、㋒ 常流なので、正解は 2 or 4 です。

㋐ ですが
基準面が水路床になるので、全水頭の式において z = 0 になると考えればよいです。従って、E = v2/2g + H です。

以上より、正解は 2 です。

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