問 題
我が国の上下水道等に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。
㋐ 活性炭層内の微生物による有機物分解作用を利用して活性炭の吸着機能を長く持続させる生物活性炭処理を行う際には、浄水処理を行う前に塩素を注入する。
㋑ 一般に、下水道管を汚水が流れるとき、流量は満管となったときに最大となる。
㋒ 下水処理の浄化過程で発生する余剰汚泥を再利用する方法の一つに、農地における土壌改良材としての活用がある。
㋓ 水道管などが河川、地下鉄など他の構造物の下をくぐり抜ける際には、サイフォンの原理を用いた伏越しが適用される場合がある。
1.㋐、㋑
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓
正解 (5)
解 説
㋐ ですが
先に塩素注入すると有機物と塩素が反応し、除去しづらいトリハロメタンなどが生成します。浄水処理後に塩素消毒が妥当です。㋐ は誤りです。
㋑ ですが
一般に円形管において、流速は水深がほぼ 81 %のとき最大、流量は水深がほぼ 93 % のとき最大になるとされています。「満管の時最大」というわけではありません。㋑ は誤りです。
「えっ、なんで?満管の時が一番多いでしょう?」と思うかもしれませんが、Q = Av なので、Q は v にも影響されます。そして、管上部と接する際の摩擦損失等を考慮すると納得感があるのではないでしょうか。あまり追求せず、結論部分を受け入れても OK です。
㋒ は妥当です。
余剰汚泥の再利用法についての記述です。
㋓ は妥当です。
伏越し (ふせこし) は、河川の下を通す水路のことです。
以上より、正解は 5 です。
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