公務員試験 2020年 国家一般職(土木) No.32解説

 問 題     

コンクリートの混和材料に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ フライアッシュは、鉄鉱石を溶融した際に生成される鉄以外の副産物のことで、急速に冷却し微粉末にしたものが混和材料として使われる。

㋑ 遅延剤は、セメントと水の接触を防止することで一時的に水和を遅延させるもので、暑中コンクリートにおけるコールドジョイントの発生を防ぐためなどに用いられる。

㋒ 減水剤は、セメント粒子に吸着することで粒子間に引き付け合う静電気力を生じさせ、セメントを効果的に結合させる働きをする。

㋓ AE 剤は、コンクリート内部に生じた応力を緩衝するため、微細な気泡をコンクリートに効果的に発生させる役割を担う。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

㋐ ですが
フライアッシュは微粉炭を燃焼させた際に発生する石炭灰で、集塵器で捕集されたものです。「鉄鉱石を溶融した際の副産物」ではありません。鉄鉱石を溶融した際の副産物は「鉄鋼スラグ」です。㋐ は誤りです。

㋑ は妥当です。
遅延剤として具体的には、食品添加物にも用いられるグルコン酸ナトリウムなどが使用されます。

㋒ ですが
減水剤はセメント粒子の界面 (表面) に吸着し、セメント粒子を静電気的な反発作用で分散させることでワーカビリティーを向上させる性質があります。「引き付け合う静電気力を生じ…効果的に結合」ではありません。㋒ は誤りです。

㋓ は妥当です。
AE 剤は「Air Entraining Agent:空気連行剤」の略です。AE剤の混和によりイメージとしては、人でぎゅうぎゅうの電車の間にふわふわふとんが均等にはさまったおかげで、人が少し太ってもそれほどみんなが押される力は変わらないように、コンクリート内部に生じた応力を緩衝します。


以上より、正解は 4 です。

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