公務員試験 2020年 国家一般職(土木) No.22解説

 問 題     

図のように、トラスの点 a に鉛直集中荷重 P が作用しているとき、点 a の鉛直方向の変位として最も妥当なのはどれか。ただし、部材 ab、部材 ac の断面積は共に A、ヤング係数はそれぞれ E、 2 E とし、ab 間、bc 間の距離は共に L とする。また、部材の自重は無視できるものとし、変位は微小であるものとする。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

・ab 及び ac について軸力を接点法で求める
点 a 周りで切断すれば、まず ac について上向きに P とわかる。これにより、左向きも P なので、軸力は √2P となる。→← なので部材 ac に作用するのは「引張力」となる。

そして、点 a 周りの横向きの力の和 が 0 なので、部材 ab の 点 a 付近の力は 右向きに P とわかる。←→ なので部材 ab に作用するのは「圧縮力」とわかる。

・伸び Δl を、それぞれの部材について求める。
Δl = εl、ε = σ/E、σ = P/A は基礎知識

部材 ab の伸び Δlab  (圧縮力を受けるので、縮む) は
Δlab = (L/EA) × P と表せる。

部材 ac の伸び Δlac (引張力を受けるので、伸びる) は
Δlac = (√2L/√2E A) × √2P = √2 × (L/EA) × P である。

つまり
部材 ab の縮む長さの √2倍 だけ、部材 ac が伸びる


・作図により、点 a の変位を求める。
具体的には、各部材を変形させた後に、先端から垂線を引いた交点が変位先である。

従って、点 a の鉛直方向の変位は
 (L/EA) × P × 3


以上より、正解は 3 です。

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