問 題
図Ⅰのように、ab 間に等分布荷重q が作用しているラーメン構造の曲げモーメント図の概形として最も妥当なのはどれか。ただし、ラーメン構造の自重は無視できるものとする。また、曲げモーメントは図Ⅱの向きを正とする。
正解 (5)
解 説
よくある問題としては、支点 a か d が ローラー付きの支点です。しかし本問では ad 共にピン支点なので、不静定構造で反力を簡単には求めることができません。「曲げモーメント図の概形」が聞かれていることからも、なんとなくどう曲がるかを想像できるかどうかが問われている問題と考えられます。
まず、ラーメン構造を両端から同じように押した場合が、顔を両手で挟むイメージで以下のように曲がることは想像できるのではないでしょうか。
この場合 ab 間は正、bc 間は負、cd 間は正の曲げモーメントになりそうです。
で、右側だけ力をなくしてみると、右上の部分は少し右に押し出されるイメージになるので少し誇張して表すと下図のような概形と考えられます。
すると ab 間は 正、bc 間は 正→負、cd 間は 負 の曲げモーメントになりそうです。bc 間、cd 間がずっと正である選択肢 1 は誤りと判断できます。
また、点 a,d はピン支点なので曲げモーメントは 0 です。選択肢 2,3 はこの観点から誤りと判断できます。
選択肢 4 ですが
bc 間の曲げモーメントが負なので、以下のように曲がるイメージです。
これは c に下から集中荷重が上向きにかかっていないと不適切と思われます。選択肢 4 は誤りです。
以上より、正解は 5 です。
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